Interview 事例紹介
Vol.2
LaFESTa - 板屋町店 -
(株式会社松本不動産)
(株式会社松本不動産)
トップの覚悟が
働きやすさと定着につながる
株式会社松本不動産では浜松市を拠点に飲食店を多店舗展開している。今回インタビューを実施したLaFESTaでは10年前から外国人材の受け入れを始め、現在ではベトナム人スタッフが厨房の中核を担っている。料理の質と安定的な雇用を両立するため、スキルの伝承や業務負荷軽減の工夫、そして外国人材を含めた「公平な評価制度」によるモチベーション向上に取り組んできた。今回は、現場で働くスタッフと経営者、それぞれの声から、定着につながる職場づくりのヒントを伺った。
(インタビュー実施日:2025年11月13日)
外国人材を採用しようとしたきっかけは?
もともと中国人の留学生をアルバイトで雇っていたのですが、その一生懸命な働きぶりに感銘を受けたのがきっかけです。飲食業界では特に厨房のコックさんの人材が不足しており、安定的な雇用確保のために外国人材の導入を考えるようになりました。
どんな仕事を任せていますか?
主には厨房での調理業務です。スキルが高い場合は接客をお願いすることもありますが、接客は高い日本語能力が必要になるため、基本的には料理がメインです。ちなみに、ベトナム人は日本の食文化に興味がある方が多く、スパゲッティを作りたいという希望もよく聞きます。
現場で工夫していることは?
調理の仕事は専門性が高く、負担も大きい。そのため、日本人でも外国人でも誰がやっても対応できるよう、ノウハウの引き継ぎを重視しました。ベテランのベトナム人スタッフが後輩に教える体制もできてきています。やりがいはそのままに、業務の負担を減らすことが働きやすさにつながっていると思います。また、個人の目標設定をもとにランクが変わる評価制度があります。「マネージャーになりたい」「家族を呼びたい」「母国で開業したい」といった夢に向かって、何をすれば良いのかが明確になる仕組みです。外国人スタッフもこの制度のもとで公平に評価され、責任ある仕事にも挑戦しています。
外国人材の受け入れで苦労したことは?
やはり言語の壁はあります。何度言っても覚えられない、言うことで萎縮してしまうという場面もありました。その場合、別の店舗に異動させるなど柔軟に対応しています。慣れるまでは大変ですが、根気強く教える姿勢が大切です。
定着のために大切にしていることは?
問題が起きたらしっかり面談をして、不安を取り除き「こうしていこう」と伝えることを重視しています。言語の壁があっても、一緒に「落としどころ」を見つけていくことで、信頼関係が生まれます。経営者自らが丁寧に向き合うことが重要だと思います。
今後も外国人材の採用を継続していきますか?
法律の動向にもよりますが、現状であれば外国人雇用は今後も継続したいと考えています。人材確保の観点からも、日本人にこだわらず安定した雇用を目指しています。
これから外国人材の採用を考える企業へのアドバイスをお願いします。
「外国人はすぐ辞めてしまうのではないか」「教えるのが大変ではないか」といった不安の声をよく耳にします。しかし、外国人材の受け入れには、まずトップの覚悟が不可欠です。経営者自らが向き合う姿勢を見せることで、社内の意識も変わり、社員の関わり方にも良い影響を与えます。
また、安定した外国人材の雇用には一定のコストが伴いますが、それは日本人の採用活動にかかる費用と比較しても納得できるものです。実際、採用広告やエージェントの費用、採用後の育成にかかる工数などを考慮すれば、外国人材の安定雇用に向けた投資は十分に見合うものだと感じています。
もちろん、企業の規模や業種によって事情は異なりますが、私自身は「外国人材の採用はどうか」と尋ねられたら、自信を持って「おすすめします」と答えています。
また、安定した外国人材の雇用には一定のコストが伴いますが、それは日本人の採用活動にかかる費用と比較しても納得できるものです。実際、採用広告やエージェントの費用、採用後の育成にかかる工数などを考慮すれば、外国人材の安定雇用に向けた投資は十分に見合うものだと感じています。
もちろん、企業の規模や業種によって事情は異なりますが、私自身は「外国人材の採用はどうか」と尋ねられたら、自信を持って「おすすめします」と答えています。
外国人人材採用の
4つのポイント
- スタッフの誰でも対応できるようにノウハウを共有し、業務の属人化を防ぐ
- 評価制度を整備し、外国人材にも公平なキャリアパスを示す
- 初期段階でのミスマッチを防ぐため、異動や面談など柔軟な対応を心がける
- 経営者自身が向き合い、信頼関係を構築することが安定雇用の鍵になる
外国人材インタビューベトナム出身・特定技能2号(外食業)・正社員
日本で働こうと思ったきっかけは?
テレビで見た日本の料理や景色が好きで、日本で働きたいと思うようになりました。日本のおもてなしの文化や接客も魅力でした。
仕事は難しいですか?
大変だと思ったことはありません。仕事の中で、感動を感じることもあります。
困ったことはありましたか?
最初は日本語がうまく話せませんでしたが、社長や周囲のスタッフがやさしく教えてくれて、徐々に慣れていきました。周囲とのコミュニケーションで乗り越えられました。
将来の夢はありますか?
本格的な料理や接客を学び、日本で自分のお店を開きたいと考えています。
LaFESTa - 板屋町店 -
(株式会社松本不動産)
| 代表取締役 | 松本 真一 |
|---|---|
| 住所 | 浜松市中区鴨江3-11-3 浜松市中区板屋町104-1(LaFESTa 板屋町店) |
| 事業内容 | 不動産業、飲食業(イタリアンレストラン、居酒屋店舗経営) |
| 従業員数 | 正社員7名(うち外国人人材4名/ベトナム人 特定技能) |