Interview

Vol.4
株式会社望月製作所

分け隔てなく接することが、


信頼関係を築く秘訣

製缶加工や溶接を中心とした金属加工を手がける株式会社望月製作所は、静岡県富士宮市に拠点を構える製造業の企業である。鉄・ステンレス・アルミといった多様な素材を扱い、高い技術力と現場力を強みに、長年にわたり地域産業を支えてきた。同社では、人材不足や高齢化といった製造業共通の課題に向き合う中で、外国人材の受入を進めてきた。国籍の違いにとらわれず、一人ひとりと丁寧に向き合い、現場での対話を重ねながら信頼関係を築いていく姿勢が、外国人材の定着と成長につながっている。

(インタビュー実施日:2025年12月8日)

採用者インタビュー取締役 宮﨑 一将 さん

外国人材を採用されたきっかけを教えてください。

2019年頃、当社でも人手不足が深刻になっていました。

富士市内の取引先を訪問した際、現場でベトナム人の技能実習生が働いているのを見かけ、人事担当者に話を聞いたことがきっかけです。技能実習制度の仕組みや現場での様子を聞く中で、「これは当社にも必要だ」と感じ、すぐに申請を行いました。

採用にあたって、特に気をつけている点は何ですか。

最も大切にしているのはコミュニケーションです。

採用当初は、どのように指示を伝えれば良いのか、こちらも手探りの状態でした。最初はスマートフォンの翻訳アプリを使うことも考えましたが、製造現場では指示の行き違いが事故につながる可能性もあります。そこで、紙にひらがなで指示を書いて渡す方法に切り替えました。例えば、「ひっくり返して」という表現は日本人同士なら通じますが、外国人材には「上と下を逆にする」と具体的に伝えないと正確に理解してもらえません。現場は音も大きく、危険も伴うため、大きな声を出したり、早口になったりすることもあります。その点も事前に説明し、「なぜそうなるのか」を納得してもらうようにしました。

現場の社員には、どのような対応をお願いしましたか。

現場のリーダーには、「怒らない、ゆっくり、丁寧に、笑顔で話す」ことを意識してもらうよう伝えました。

製造業の現場では、どうしても言葉が荒くなりがちですが、相手にどう伝わるかを意識することが重要だと考えています。文化や生活習慣の違いについても、支援機関の通訳に小さなことでも相談し、こまめに調整しています。病院への同行をお願いしたり、月に1回程度の面談を行ったりと、仕事以外の部分も含めてフォローしています。最近では昼休みにキャッチボールをするなど、自然な形での交流も増えてきました。

外国人材を採用して良かった点は何ですか。

人手不足を補ってくれていることはもちろんですが、それ以上に、現場全体に良い変化が生まれています。彼らは非常に勤勉で手先も器用です。溶接技術については、社内でも1、2位を争うレベルまで成長しました。今年入社した日本人の若手社員が「彼らから技術を学びたい」と言うほどで、外国人材がいることで、日本人社員の意識や姿勢にも良い刺激が生まれています。一緒に仕事をすることで、現場全体に相乗効果が生まれていると感じています。

モチベーションを高める工夫はありますか。

分かりやすく目標を示すことです。

「この資格や技術を身につければ、処遇がこう変わる」と具体的に伝えています。溶接技術だけでなく、クレーンなどの資格取得も支援し、将来的には特定技能2号や日本語能力試験にも挑戦してもらいたいと考えています。

外国人材の受入を検討している企業へのアドバイスをお願いします。

日本人と分け隔てなく接することが一番大切だと思います。

文化や国民性の違いはありますが、話し合いを重ねれば必ず分かり合えます。最初はお互いに不安もありますが、こちらから声をかけ、歩み寄ることで、自然と信頼関係は築けます。70代のベテラン社員が本当の孫のように接している姿を見ると、外国人材を受け入れて本当に良かったと感じます。「この会社で長く働きたい」と思ってもらえることが、何よりありがたいですね。

外国人人材採用の
4つのポイント

  • 翻訳機に頼らず、ひらがなメモで指示を伝達
  • 指示は「怒らず・ゆっくり・丁寧に・笑顔で」
  • 支援機関と密に連携し、小さな課題も共有
  • 明確な処遇・目標設定によるモチベーション向上

外国人材インタビューC・Dさん
 (技能実習から特定技能1号/ベトナム出身・36歳)

日本に来たきっかけを教えてください。

2019年に「日本で仕事がしたい」と考え、来日しました。
来日する前は、ベトナムで1年間日本語を勉強していました。技能実習生として日本に来て、研修を終えた後、すぐに望月製作所で働き始めました。

現在の仕事内容は?

溶接の仕事をしています。ベトナムでも同じタイプの仕事をしていたので、経験を活かせています。
ただ、最初は難しくて分からないことも多く、先輩たちに教えてもらいながら、少しずつやり方を覚えてきました。皆さん親切で、とても優しいです。
今は、特定技能2号を取るために頑張っています。この会社で長く働いていきたいと思っています。

後輩へのサポートについて教えてください。

私がこの会社に一番長くいるので、仕事の悩みや生活の悩みを聞いて、相談に乗っています。
特定技能の2号を取ったら、リーダーとしてもっと頑張らないといけません。

休日の過ごし方と今後の目標は?

妻が焼津市に住んでいるので、会いに行って買い物をしたり、友人とサッカーをしたりしています。
目標は特定技能2号を取得し、妻と一緒に暮らすことです。

株式会社望月製作所

社名 株式会社望月製作所
代表 日向 秀二
所在地 静岡県富士宮市外神696番地
業種 金属加工業
事業内容 製缶一式、鉄板切断・曲げ・溶断・溶接(鉄・ステンレス・アルミ)
従業員数 正社員29名(うち外国人材5名/ベトナム出身・特定技能1号)