Interview 事例紹介
Vol.8
社会福祉法人斉慎会 特別養護老人ホーム 西貝の郷
同じ仲間として、
同じプロセスで成長していく
特別養護老人ホーム西貝の郷は、ユニットケア方式を採用した介護老人福祉施設であり、要介護認定を受けた方に対し、食事・入浴・排せつ等の介護、日常生活支援、機能訓練、健康管理などのサービスを提供している。
居室はすべて個室とし、10名単位の共同生活室(ユニット)ごとに固定職員が担当することで、家庭的な雰囲気の中で入居者一人ひとりの生活リズムに合わせたケアを実現している。ユニットケア制度化以前から先駆的に取り組んできた施設でもある。
(インタビュー実施日:2026年2月6日)
外国人材を採用しようとしたきっかけは、いつから採用していますか。
当施設が外国人職員を初めて採用したのは平成24年頃です。当時、介護業界ではすでに人材不足が深刻化しており、地域の高齢化が進むなかで、安定した人材確保が大きな課題になっていました。
一方で、静岡県西部は多くの外国人の方々が暮らしている地域でもあります。しかし、リーマンショック後の景気低迷の影響が長く続き、仕事を失った外国人の方や、そのご家族が新しい働き先を探す中で、介護の仕事に関心を持ち、当施設にも応募が寄せられるようになりました。
当時の私たちは、外国人だから特別に採用したというよりも、「地域で暮らす一人の求職者」として自然に受け入れた、という感覚が近いと思います。現在も、多様な背景を持つ職員が互いに学び合いながら、より良いケアを目指して働いています。
一方で、静岡県西部は多くの外国人の方々が暮らしている地域でもあります。しかし、リーマンショック後の景気低迷の影響が長く続き、仕事を失った外国人の方や、そのご家族が新しい働き先を探す中で、介護の仕事に関心を持ち、当施設にも応募が寄せられるようになりました。
当時の私たちは、外国人だから特別に採用したというよりも、「地域で暮らす一人の求職者」として自然に受け入れた、という感覚が近いと思います。現在も、多様な背景を持つ職員が互いに学び合いながら、より良いケアを目指して働いています。
受け入れるにあたり、最初に苦労した点は何ですか?
受け入れを始めた当初は、翻訳アプリを使って気軽にコミュニケーションを取る、ということが一般的ではありませんでした。採用した外国人の方はある程度日常会話できたものの、介護の専門用語や記録の書き方となると難しさがあり、最初の頃に採用した外国人の方は定着には至りませんでした。
ただ、その経験を通じて、私たち自身も「外国人と働くうえでの課題」や「工夫すべき点」を学ぶことができました。その後、県のほうでも外国人向けの日本語研修や、職場での問題解決を支援する定着支援事業を実施してくださり、環境が大きく整っていきました。
あわせて職員も少しずつ接し方やコミュニケーションのコツを身につけ、意思疎通がスムーズになっていきました。苦労もありましたが、それを乗り越える過程で職場全体が成長できたと感じています。
ただ、その経験を通じて、私たち自身も「外国人と働くうえでの課題」や「工夫すべき点」を学ぶことができました。その後、県のほうでも外国人向けの日本語研修や、職場での問題解決を支援する定着支援事業を実施してくださり、環境が大きく整っていきました。
あわせて職員も少しずつ接し方やコミュニケーションのコツを身につけ、意思疎通がスムーズになっていきました。苦労もありましたが、それを乗り越える過程で職場全体が成長できたと感じています。
介護の仕事は利用者様と接する機会が多いと思いますが、外国人スタッフの採用・活用で気にかけている点はありますか。
大切にしているのは、時間がかかっても、その人その人の能力や背景に合わせて育成していくという姿勢です。言語の習熟度や理解のスピードは個人差がありますので、焦らず、安心して成長できる環境づくりを心がけています。
また、在留資格の種類や更新のタイミングについて職場全体で知識を共有し、事前に確認する体制も整えました。採用するだけでなく、安心して働き続けられる環境づくりが不可欠だと感じています。
また、在留資格の種類や更新のタイミングについて職場全体で知識を共有し、事前に確認する体制も整えました。採用するだけでなく、安心して働き続けられる環境づくりが不可欠だと感じています。
定着のために、大切にしていること、工夫していることはありますか?
外国人だからといって待遇や働き方で区別しないことを大切にしています。給与や勤務条件、目標管理制度の運用、人事面談での希望の聞き取りなどは、日本人スタッフと同じように行っています。
「同じ仲間として、同じプロセスで成長していく」という姿勢を一貫して大切にしています。待遇の公平性と制度面のサポート、そして個々の成長に寄り添う姿勢の積み重ねが、定着につながっていると思います。
「同じ仲間として、同じプロセスで成長していく」という姿勢を一貫して大切にしています。待遇の公平性と制度面のサポート、そして個々の成長に寄り添う姿勢の積み重ねが、定着につながっていると思います。
今後の計画、期待することはありますか?
現在働いている6名の外国人スタッフは、いずれも、もともと日本に住んでいた方々です。既に働いている外国人職員からの紹介で応募してくれたケースもあり、人柄や働きぶりが見えている分、一定の安心感があります。今後もそうした応募があれば、積極的に採用していきたいと考えています。
また、過去には技能実習生の受け入れがうまくいかなかった経験もありますが、その反省も踏まえ、今後は特定技能での受け入れも検討しています。制度として実務に直結しやすく、介護現場との相性も良いと感じています。
いずれにしても、これからの介護現場は外国人材なしでは成り立たない時代になると思っています。国籍に関わらず、地域で暮らす人が安心して働ける環境を整え、多様な人材が力を発揮できる職場づくりを進めていきたいと考えています。
また、過去には技能実習生の受け入れがうまくいかなかった経験もありますが、その反省も踏まえ、今後は特定技能での受け入れも検討しています。制度として実務に直結しやすく、介護現場との相性も良いと感じています。
いずれにしても、これからの介護現場は外国人材なしでは成り立たない時代になると思っています。国籍に関わらず、地域で暮らす人が安心して働ける環境を整え、多様な人材が力を発揮できる職場づくりを進めていきたいと考えています。
受け入れに躊躇している事業所が感じるハードルは何だと思いますか?
やはりコミュニケーションの不安や、文化の違い・価値観の違いといった点が大きいのではないかと思います。言葉の壁があると、指示の伝わり方や仕事の正確性、人間関係の築き方などに不安を感じるのは、どの産業でも共通していると思います。
また、社会全体でも外国人に関する議論が取り上げられることがあり、そうした空気感が「本当にうまくいくのだろうか」という心理的ハードルにつながっている面もあると感じます。実際には工夫で改善でき、時間をかけて理解し合うことで乗り越えられますが、最初の一歩には勇気が必要なのだと思います。
また、社会全体でも外国人に関する議論が取り上げられることがあり、そうした空気感が「本当にうまくいくのだろうか」という心理的ハードルにつながっている面もあると感じます。実際には工夫で改善でき、時間をかけて理解し合うことで乗り越えられますが、最初の一歩には勇気が必要なのだと思います。
これから外国人材を雇用する、または雇用している事業所へのアドバイスは?
外国人材の受け入れは、最初はコミュニケーションや文化の違いに戸惑うこともありますが、真摯に向き合えば必ず乗り越えられます。大切なのは、外国人だからと特別扱いするのではなく、一人ひとりの能力や背景に合わせて育成し、同じ仲間として接する姿勢だと思います。
外国人材の活用は、人手不足を補うだけでなく、職場に多様性や新しい視点をもたらし、良い刺激となって職場全体に活気が生まれます。国籍に関わらず互いに学び合い、組織として成長できる場面も多くありますので、ぜひ積極的に活用されることをおすすめします。
外国人材の活用は、人手不足を補うだけでなく、職場に多様性や新しい視点をもたらし、良い刺激となって職場全体に活気が生まれます。国籍に関わらず互いに学び合い、組織として成長できる場面も多くありますので、ぜひ積極的に活用されることをおすすめします。
指導者インタビュースタッフの育成・業務フォロー担当
西村 貴徳 さん / 青島 利枝子 さん
外国人スタッフの働きぶりはどうですか?
仕事に前向きで意欲的です。エネルギッシュに働いている姿勢が印象的で、日本語も概ね問題なく理解してくれています。
高齢者の方が多い現場ですが、目上の方に対して丁寧に対応してくれ、とても大事に思ってくれていると感じます。
高齢者の方が多い現場ですが、目上の方に対して丁寧に対応してくれ、とても大事に思ってくれていると感じます。
仕事を教える上で、心がけていること、工夫していることはありますか?
文化や習慣の違いを意識しています。日本人と同じ伝え方では伝わらない場面もあるため、日本人の感覚で伝えないように気をつけています。
表現を変えて伝えてみたり、「こういう考え方をするのだ」と理解のずれを学びながら、伝わる方法を模索してきました。トライアンドエラーを重ねるなかで、「伝わる言い方」「伝わりやすい表現」が職場内でも少しずつ共有されてきたと思います。
表現を変えて伝えてみたり、「こういう考え方をするのだ」と理解のずれを学びながら、伝わる方法を模索してきました。トライアンドエラーを重ねるなかで、「伝わる言い方」「伝わりやすい表現」が職場内でも少しずつ共有されてきたと思います。
外国人スタッフが加わったことで、日本人スタッフに何か変化はありましたか?
現場では、日本人スタッフの理解が深まったと思います。伝え方の工夫や気配りの違いを都度説明し、根気強く丁寧に対応しています。利用者様一人ひとりの気持ちを大切にすることも、あらためて言葉にして伝える機会が増えました。
結果として、チーム全体のコミュニケーション力が上がってきたと感じています。また、外国人スタッフのがんばっている姿勢が、仕事に対する新鮮な気持ちを思い出させてくれる場面もあります。
結果として、チーム全体のコミュニケーション力が上がってきたと感じています。また、外国人スタッフのがんばっている姿勢が、仕事に対する新鮮な気持ちを思い出させてくれる場面もあります。
外国人スタッフに今後期待することは?どのようになってもらいたいですか?
資格取得を目指してもらいたいことと、正社員を目指してもらいたいと思います。実際に介護福祉士の試験に挑戦したい職員もいて、長期で活躍してもらえる姿が見えてきています。
また、外国人はコミュニティの情報力が強いので、介護業界の良さを発信してもらい、人手不足解消に力を貸してほしいと思います。
また、外国人はコミュニティの情報力が強いので、介護業界の良さを発信してもらい、人手不足解消に力を貸してほしいと思います。
外国人スタッフが長く働きたいと思う理由や、施設の秘訣は何だと思いますか?
採用通知も日本語にルビを振っていますし、マニュアルも多言語化しています。理解してもらうために、伝わる表現を探し、困っている部分には対応するようにしています(「わかっているか、わかっていないか」がわかるように)。
特に教育には力を入れており、時間をかけて、じっくりと、利用者様のことがわかるまでマンツーマンで研修するようにしています。研修内容も、理解してもらえるように翻訳して整えています。
介護の仕事をしっかり理解してもらうために、時間をかけて丁寧に行うことが、仕事に対する不安を減らし、働きやすい環境につながっているのではないかと思います。
特に教育には力を入れており、時間をかけて、じっくりと、利用者様のことがわかるまでマンツーマンで研修するようにしています。研修内容も、理解してもらえるように翻訳して整えています。
介護の仕事をしっかり理解してもらうために、時間をかけて丁寧に行うことが、仕事に対する不安を減らし、働きやすい環境につながっているのではないかと思います。
外国人人材採用の
4つのポイント
- 焦らず、安心して成長できる環境づくりを心がける
- 区別はせず、「同じ仲間」として「同じプロセス」で成長していく
- 互いに学び合うことで良好な関係が生まれ、職場全体の成長につながる
- 外国人材の受け入れには、最初の一歩を踏み出す勇気が必要
外国人材インタビューASKさん(資格:永住者/ブラジル出身)
Tさん(資格:永住者/中国出身)
日本で働こうと思ったきっかけや、この仕事(施設)を選んだ理由を教えてください。
ASKさん
日本で他の仕事でも働いていましたが、初めてここで働いてみた時に、利用者さんはかわいいところがあって、それが好きだなと思いました。それで、この介護の仕事を続けています。
Tさん
別の仕事をしていましたが、介護の研修の事業に参加し、その実習先としてここに来ました。実習を通して、介護の仕事とこの施設が好きになりました。勤務時間も融通を利かせてもらっているので、とても助かっています。
日本で他の仕事でも働いていましたが、初めてここで働いてみた時に、利用者さんはかわいいところがあって、それが好きだなと思いました。それで、この介護の仕事を続けています。
Tさん
別の仕事をしていましたが、介護の研修の事業に参加し、その実習先としてここに来ました。実習を通して、介護の仕事とこの施設が好きになりました。勤務時間も融通を利かせてもらっているので、とても助かっています。
今はどのような仕事をしていますか。
利用者さんのお世話をしています。生活介助の仕事を担当しています。
介護の仕事は難しいですか?困った時はどうしていますか?
ASKさん
利用者さんの介助の仕方がいつも同じではなく、やり方を変えなければならないことが難しいです。困ったことがあった時には、他のスタッフに手伝ってもらっています。
Tさん
利用者さんの症状によって、順番を変えたりして対応しなければならないので、頭を使って難しいです。困った時は、他の職員に相談すると手伝ってくれます。
利用者さんの介助の仕方がいつも同じではなく、やり方を変えなければならないことが難しいです。困ったことがあった時には、他のスタッフに手伝ってもらっています。
Tさん
利用者さんの症状によって、順番を変えたりして対応しなければならないので、頭を使って難しいです。困った時は、他の職員に相談すると手伝ってくれます。
仕事をしている中で、嬉しかったことや良かったことは何ですか?
ASKさん
利用者さんの笑顔を見たり、心がつながっていると感じる時がうれしいです。「ありがとう」と言われると、心がつながっていると思って、とてもうれしいです。
Tさん
利用者さんが、できないことを一緒にお手伝いしながらできるようになった時はうれしいです。みんながやさしくて良かったです。
利用者さんの笑顔を見たり、心がつながっていると感じる時がうれしいです。「ありがとう」と言われると、心がつながっていると思って、とてもうれしいです。
Tさん
利用者さんが、できないことを一緒にお手伝いしながらできるようになった時はうれしいです。みんながやさしくて良かったです。
一緒に働いているスタッフはどのような方ですか?
ASKさん
みんなやさしくて、丁寧に教えてくれます。ここの職員のような介護士になりたいと思っていて、介護福祉士の資格を取りたいと思っています。
Tさん
やさしくて丁寧に教えてくれます。ヒアリングがある時は、まだ文章を書くことができないので、どういう状態で、どう介護するのかの文章を作成してくれます。介助は一人ひとり注意すべきところが違うので、そこを丁寧に教えてくれます。
みんなやさしくて、丁寧に教えてくれます。ここの職員のような介護士になりたいと思っていて、介護福祉士の資格を取りたいと思っています。
Tさん
やさしくて丁寧に教えてくれます。ヒアリングがある時は、まだ文章を書くことができないので、どういう状態で、どう介護するのかの文章を作成してくれます。介助は一人ひとり注意すべきところが違うので、そこを丁寧に教えてくれます。
西貝の郷はあなたにとってどのような施設ですか?どう思っていますか?
ASKさん この施設は利用者のことを思い、利用者のためにと考えていることが、長期間働き続けられている理由です。私の親が生きていたら、この施設に入れたいと思いますし、自分も将来この施設に入りたいと思っています。そのくらい良い施設だと思います。 Tさん 私にとってこの施設は、働きやすいとても良い場所です。みんなはやさしく、いい人ですから、ここで長く働きたいと思っています。
今後の目標や夢はありますか?日本にずっと住みたいと思いますか?
ASKさん
資格を取りたいです。ブラジルに帰ることはなく、ずっと日本に住みたいです。
Tさん
介護福祉士になりたいです。実務者研修の資格は取りましたが、もっと介護の勉強をして、仕事がうまくできるようになりたいです。働いている間は日本に住んでいたいと思いますが、母親が年をとったら、勉強した介護の経験を活かして国に帰って親の世話をしたいです。
資格を取りたいです。ブラジルに帰ることはなく、ずっと日本に住みたいです。
Tさん
介護福祉士になりたいです。実務者研修の資格は取りましたが、もっと介護の勉強をして、仕事がうまくできるようになりたいです。働いている間は日本に住んでいたいと思いますが、母親が年をとったら、勉強した介護の経験を活かして国に帰って親の世話をしたいです。
社会福祉法人斉慎会 特別養護老人ホーム 西貝の郷
| 代表者 | 斉慎会 理事長 早川 雄二郎 |
|---|---|
| 施設名 | 特別養護老人ホーム 西貝の郷 |
| 施設長 | 小川 正信 |
| 所在地 | 磐田市西貝塚2111番地の1 |
| 業種 | 社会福祉事業(介護・福祉サービス) |
| 従業員数 | 74名(うち外国人材6名) |
| 事業内容 | 特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス |